展覧会
第46回「日本の書展茨城展」
◆会期
 平成31年4月13日(土)〜4月18日(木)午前9時〜午後5時(最終日は午後2時で終了)

◆会場
 県民文化センター展示室・県民ギャラリー(水戸市千波町)

◇後援
 県、県教育委員会、文化庁、共同通信社、NHK水戸放送局、全国書美術振興会

◇問い合わせ
 茨城新聞社地域連携室 TEL029(239)3005

奨励賞受賞者の横顔
 「第46回日本の書展茨城展」(茨城書道美術振興会、茨城新聞社主催)の奨励賞受賞者10人が決まった。それぞれの横顔を紹介する。(順不同)
※奨励賞受賞は茨城新聞に掲載になった順に、順次公開していきます。

石川茜舟さん 水戸市 詩の情景思い浮かべ
 初めての受賞。「実は一番欲しかった賞。やはり地元で多くの人たちに作品を見てもらい、何かを感じてもらいたかった」と、喜びを爆発させる。
 心掛けているのは、詩の情景を思い浮かべること。そして師の教え「切れば血の出る線を」。字に命を吹き込み味のある線を表現することだという。「次世代に伝統の素晴らしさと書の楽しさを」と、自らの役割を見据える。
石川茜舟さん(水戸市)
伊藤浄遠さん 高萩市 暴れすぎぬよう加減
 2回目の受賞。「恩師に教えてもらったことが表現できてきたのかな。少しは進歩したのかもしれない」と、控えめな面持ちで喜びを語る。
 前回は文字一つ一つによる「単体」。今回は文字のつながりによる「連動」。「続くだけに暴れすぎないこと。その加減が難しかった」。今後の目標は「楽」。まず自らが書を楽しみ、見る人にも楽しんでもらいたいと願う。
伊藤浄遠さん(高萩市)
大和田豊久さん 那珂市 緩急、余白の美を意識
 優美でしなやかさがある行草体の作品。「国秀集」に収められた中国唐の時代の詩人、萬楚の七語律詩を、緩急や余白の美しさを意識して書いた。
 2017年に初受賞し、今回2回目の受賞となった。書道を初めて約30年。「賞に値する作品が書けたかどうか。強い線も出していきたい。大きな目標はないが、これからも淡々と続けていきたい」
大和田豊久さん(那珂市)
君野爽神さん 日立市 柔らかなかすれ工夫
 「墨量が多い中で、重すぎず軽すぎず、柔らかなかすれが出せるように工夫した」。題材は、中国盛唐の詩人、杜甫の作品「玉華宮」の詩文を隷書体でしたためた。日頃から清時代の書家、楊峴(ようけん)の隷書体を勉強している。
 今回が初受賞。「子育てが一段落し、書道を再開して約7年。この間、病気療養で休んだこともあった。先生や家族に感謝しつつ、継続したい」

君野爽神さん(日立市)
小松雲峰さん 石岡市 潤渇や字の大小意識
  「3行56文字にこだわり続けてきたが、新しい年号になるのだから自分も脱皮したい」と4行112文字に挑み、2回目の受賞。作品は中国明初の詩人、高青邱の漢詩4首。故浅香鉄心氏に師事し「鉄心調を基に、潤渇や字の大小を意識し、行草体でまとめた」。
 書歴はおよそ半世紀。「書の道は年齢も学歴も関係ない。これからも満足せず若い心で挑み続けたい」

小松雲峰さん(石岡市)
宍戸魁山さん 神栖市 墨色の変化の妙表現
 優美でしなやかさがある行草体の作品。「国秀集」に収められた中国唐の時代の詩人、萬楚の七語律詩を、緩急や余白の美しさを意識して書いた。
 2017年に初受賞し、今回2回目の受賞となった。書道を初めて約30年。「賞に値する作品が書けたかどうか。強い線も出していきたい。大きな目標はないが、これからも淡々と続けていきたい」
宍戸魁山さん(神栖市)
柴沼秀風さん 土浦市 にじみと擦れ美しく
 紀貫之ら三十六歌仙の11首を仮名の細字で書き込んだ。柔らかくも力強い作品は、にじみと擦(かす)れが織りなす潤渇の美を追求。深みのある線質で筑波山の歌などをリズムよく表現する。
 創作の活力源はスポーツジムでの運動。ほぼ毎日、体を動かし、リフレッシュしてから書に励む。受賞は2回目。「古典を基本とした作品を追い求めていきたい」と抱負を語る。
柴沼秀風さん(土浦市)
玉津啓園さん ひたちなか市 力まず無心に仕上げ
 中国・南宋時代の詩人、范成大(はんせいだい)の詩の一節を、王鐸(おうたく)に学んで培った書体で、縦に長い3行の漢字作品に仕上げた。「力まず無心で書いたところを評価してもらった」と話す。
 書を始めたのは30代後半で、公民館の教室がきっかけ。以来約40年。時には「生き物のように感じられる」と書の奥深さを語る。「早書きの癖を直して安定感を身に付ける」のが今の課題。
玉津啓園さん(ひたちなか市)
中村裕美子さん 水戸市 墨の潤渇 緻密に計算
 良寛の和歌2首を題材に横長の紙を使って仮名の作品にした。歌の1首は梅にちなみ、もう1首は子どもと遊ぶ喜びが詠まれている。水戸の名物と子育て真っ最中の自らの境遇に重ねた。
 変体仮名の充て方、文字の連綿の切り方、墨の潤渇などを緻密に計算し表現した。「書くほどに線が磨かれていく。それが自分の成長として実感される」のが書の醍醐味(だいごみ)だという。
中村裕美子さん(水戸市)
渡辺子遊さん 高萩市 楷隷体の立体感追求
 杜甫の詩を題材に、「楷隷」とも呼ばれる古い時代の楷書体で、5字13行の横長の作品に構成した。一つ一つ力強い文字は「立体感が出るように墨の付け具合に気を配った」と話す。
 書を始めたのは、仕事と子育てが一段落してから。地元の書道塾に入門。以来18年、筆を持たない日はほとんどない。「優れた先輩の背中を追い続けていきたい」と一層の精進を誓う。
渡辺子遊さん(高萩市)