展覧会
第45回「日本の書展茨城展」
◆会期
 平成30年4月14日(土)〜4月19日(木)午前9時〜午後5時(最終日は午後2時で終了)

◆会場
 県民文化センター展示室・県民ギャラリー(水戸市千波町)

◇後援
 県、県教育委員会、文化庁、共同通信社、NHK水戸放送局、全国書美術振興会

◇問い合わせ
 茨城新聞社地域連携室 TEL029(239)3005

奨励賞受賞者の横顔
 「第45回日本の書展茨城展」(茨城書道美術振興会、茨城新聞社主催)の奨励賞受賞者が決まった。栄誉に輝いた方々の横顔を紹介する。
※奨励賞受賞は茨城新聞に掲載になった順に、順次公開していきます。

古典が全ての師 笹島節子さん(水戸)
 「新しいことに挑戦してみようと思った」。これまで書いてきたのは大きな字で2~3首。それが受賞作は小さな字で15首。なじみ深い百人一首だった。
 今度はしばらく、小さな字にどっぷりと漬かることになりそうだ。「構成をどうするか。空間をどうつくるか。やったことのないことをやってみたい」
笹島節子さん(水戸市)
余白で深みを追求 徳重篤鵬さん(ひたちなか)
 ずっと書き続けている多字数4行での詩。「余白とのバランスで深みを出すよう努力した」。詩・書・画・篆刻(てんこく)に精通し「四絶」と称賛される中国の文人・呉昌碩(ごしょうせき)の書に心酔する。
 型にとらわれない奔放な書風が好きだ。「呉昌碩の作風を極めたい。よりよい作品ができるよう、ますます精進していきたい」
徳重篤鵬さん(ひたちなか)
朱と白のバランス 田畑大舟さん(古河)
 篆刻(てんこく)は、作成中に石が欠けてしまい、表情が変わることもあるが、「そこが面白い。鋭い線と朱と白のバランスを大切にした」。受賞作品は、中国の思想家・荀子の一節「斬而斉」を、7センチ四方の青田(せいでん)石に彫った印章。「古典や先生方に学び、鋭さの中に柔らかさが出せるよう精進していきたい」
田畑大舟さん(古河)
わくわくして挑戦  川崎一葦さん(ひたちなか)
 「自分が得意でないものに挑戦するという気持ちを定め、わくわくしながら書いた」。受賞作の隷書は、普段書き慣れている文字のおよそ4倍の大きさ。
 奥に秘めた情熱を書で表現し、見る人の心に訴えたいとする。一方でこうも思う。「見た人が安らかな気持ちになってくれるような書でもありたい」
川崎一葦さん(ひたちなか)
仮名の表現に緩急 辻和香さん(水戸)
 女性的なしなやかさのある繊細で優美な作品。古今和歌集から秋の句を2首選んだ。「仮名は線が命」。単調になりがちな仮名を、緩急をつけた多様な線の変化でしとやかに表現。点画の点の位置にもこだわり、空間の美をつくりだした。
 2回目の受賞。「これからも鍛錬し、字だけでなく人間性も磨いていきたい」
辻和香さん(水戸)
余白が生む静と動 永藤窓風さん(水戸)
 「立体感と、静と動を出すために、余白を意識して書いた」。題材は中国唐時代の詩人・杜審言(としんげん)の漢詩。重厚な墨からは、作者が紙に閉じ込めようとした強い思いが伝わってくる。日頃から筆圧と遅速の変化を意識している。「一筆一筆、無心になって書き上げた。自分のペースで継続していきたい」
永藤窓風さん(水戸)
行間使い横幅表現 吉澤太雅さん(水戸)
 七言絶句の自詠詞を書いた。散歩中に空き家を目にし、子どもたちの未来に思いをはせた。「空」や「枯」といった寂しさを感じる字をちりばめている。
1行の字数は不規則だが、行書と草書で文字の大きさを変え、まとめ上げた。「行間の使い方を意識し横に広がりを持たせた」と横幅の表現の探求を続ける。
吉澤太雅さん(水戸)
漢字、仮名で一体感 西野香葉さん(ひたちなか)
 初受賞作は李白の早春の詩。温かみとリズム感のある作品に仕上げた。淡い墨を利用して一文字一文字を充実させ、空間の美しさを表現。安定した漢字と仮名が一体感を引き立てる。「好きな言葉は『淡々と』。人の気持ちを温かくする文字が書けるように、今自分のできることを淡々とやっていきたい」
西野香葉さん(ひたちなか)